悪魔城入口
蒼真 |
「弥那! もう平気なのか?」 |
弥那 |
「うん、もう平気。 あれから、怪物もここには 入れないみたいだし。」 |
蒼真 |
「有角が、結界を張っておくって 言ってたからな…。」 「そう言えば、有角って 何者なんだ?」 |
弥那 |
「私もよくは知らないの。 国の諜報機関にいるって、 聞いたころ有るけど…。」 |
蒼真 |
「諜報期間? スパイみたいなもんか。」 |
弥那 |
「昔から、よく家に来てた みたいなんだけど、 不思議なのあの人。」 |
蒼真 |
「何が?」 |
弥那 |
「普通の人って、10年も 経ったら、少しぐらい 変わるものでしょう?」 |
蒼真 |
「あたりまえだろ。」 |
弥那 |
「全然、変わらないの。」 |
蒼真 |
「気のせいじゃないか?」 |
弥那 |
「そうなのかな…。」 「でも、顔だって綺麗過ぎるし、 人間離れしてると 思わない?」 |
蒼真 |
「お前、ああ言うのが 好みなのか?」 |
弥那 |
「な、何言ってるのよ! 私はどちらかと言えば…。」 「!?」 「関係無いじゃない そんなこと!」 |
蒼真 |
「冗談だよ。 何、むきになってんだよ。」 |
弥那 |
「そ、そんなことよりも、 蒼真君もここに、 いたほうがよくないかな?」 |
蒼真 |
「いや、ここを出るためには。 やらなくちゃいけない事が あるらしい。」 「それに、俺にも退魔の力が あるみたいだしな。」 (長くここにいたら危ない って事は、黙って置いた 方がよさそうだな…) |
弥那 |
「そうなんだ…。 でも、気をつけてね。」 |
蒼真 |
「分かってる。 弥那…?」 |
弥那 |
「何?」 |
蒼真 |
「俺の事、信じてくれるか?」 |
弥那 |
「もちろん。 蒼真君、私に嘘は 絶対につかないもの。」 |
蒼真 |
「なら、待っていてくれ。 ここから戻る方法を 必ず見つけ出してみせる。」 |
弥那 |
「大丈夫、全然平気よ。 いつまでだって、 待っていられるから。」 |
蒼真 |
「なら、行ってくる。」 |
弥那 |
「絶対に、無理だけは しないでね。」 |
蒼真 |
「あぁ。」 |
荒城回廊(礼拝堂前)
??? |
「おや? こんにちは。」 |
蒼真 |
「あっ、こ、こんにちは。 に、人間ですよね?」 |
グラハム |
「安心しなさい。 私の名はグラハム。 宗教家と言っておきましょう。」 |
蒼真 |
「あっ俺、蒼真…。 来須蒼真。」 |
グラハム |
「神社には居ませんでしたが、 あなたは、どのようにして この城に来たのですか?」 |
蒼真 |
「良くは分かんないけど、 鳥居をくぐったとたん、 気がついたらこの城に…。」 |
グラハム |
「なるほど、そうでしたか。」 |
蒼真 |
「あっ、1つ聞いても 良いかな?」 |
グラハム |
「はい、かまいませんよ。」 |
蒼真 |
「この城がドラキュラ城って 本当なんですか?」 |
グラハム |
「間違いありません。」 |
蒼真 |
「でも、ドラキュラ城って ヨーロッパにあるんじゃ…。」 |
グラハム |
「建前上はそうです。 しかし、真のドラキュラ城が、 別に存在するのです。」 |
蒼真 |
「真のドラキュラ城…。」 |
グラハム |
「裏の世界では有名な話です。 あなたは、吸血鬼という 存在を信じますか?」 |
蒼真 |
「えっ? ドラキュラが吸血鬼なのは、 フィクションの世界だよね?」 |
グラハム |
「あれは、本当の事です。 本来なら、教会が極秘裏に 処理するものなのですが…。」 「ドラキュラと言う存在は、 遥か昔から、 何度も蘇っているのです。」 「そう、人々が信仰を忘れ、 破壊と混沌を求めたとき…。」 |
蒼真 |
「じゃあ…、今、ドラキュラが 復活してるとでも…?」 |
グラハム |
「いえ。 ドラキュラは1999年に 滅びました。」 「あなたも、知っていますよね? ノストラダムスの大予言を…。」 |
蒼真 |
「じゃあ、恐怖の大王って…。」 |
グラハム |
「そうです。 ドラキュラのことです。」 「しかしながら、ヴァンパイア ハンター達が、ドラキュラを 完全に滅ぼしました。」 「魔王は復活の輪廻から放たれ、 力の象徴である城が、 日食に封じられたのです。」 |
蒼真 |
「それが、ここか…。」 |
グラハム |
「しかし、この続きとも言える 別の予言が存在したのです。」 |
蒼真 |
「それは?」 |
グラハム |
「2035年…。 城は新たな城主を迎え、 力を受け継ぐ者が現れる。」 「と、言うものなのです。」 |
蒼真 |
「それって、今…。」 |
グラハム |
「そう、御推測の通りです。 おっと、話が過ぎました。 もう、行かなくては…。」 |
蒼真 |
「あっ、有難うございました。」 |
グラハム |
「では、失礼。 くれぐれも、気をつけて。」 |
蒼真 |
「グラハムさんも。」 |