弥那 |
「おかえりなさい。」 |
蒼真 |
「なぁ、弥那。」 |
弥那 |
「何?」 |
蒼真 |
「今更なんだけど…。 お前の家って、どういう 神社なんだ?」 |
弥那 |
「ねぇ、蒼真君。 天岩戸の話って知ってる?」 |
蒼真 |
「あぁ、なんとなく。」 |
弥那 |
「あれって、スサノオが暴れた 為に、天照大神が天岩戸に 隠れて鎮めたって話よね。」 |
蒼真 |
「そうだな。」 |
弥那 |
「つまり、太陽である 天照大神が隠れるってことは、 日食のことを差しているの。」 「それによって、怒りの意思を、 封じ込めたと考えているわ。」 |
蒼真 |
「つまり日食には、そういう 怒りとかの心の暗闇とかを 封じる力がある…。」 |
弥那 |
「そう、それを朝廷の頃から 祈祷によって行なって いるのが、家の神社なの。」 |
蒼真 |
「そう言うことか…。」 |
弥那 |
「それでね。 いつもは日本の日食 だけなんだけど…。」 |
蒼真 |
「1999年に、ヨーロッパで その祈祷を行なった…。」 |
弥那 |
「うん…。 そう聞いてるわ。」 |
蒼真 |
「それで、ドラキュラ城が 封印されたってことか…。」 |
弥那 |
「だから有角さんの 言ってた事は…。」 |
蒼真 |
「あぁ、本当だって事は、 分かってる。」 |
弥那 |
「ごめんね。 あまり、役に立てなくて…。」 |
蒼真 |
「いや、これで少しだけ すっきりした。 ありがとう、弥那。」 |
<セーブポイントの先の通路> |
|
??? |
「あら、あなた…。 蒼真君でしょ? 間違い無いわ。」 |
蒼真 |
「そ、そうだけど…。 あんたは…?」 |
ヨーコ |
「あっ、ごめんごめん。 私、ヨーコ・ヴェルナンデス。 教会の者よ。」 |
蒼真 |
「その、教会の人が、 何で俺のことを?」 |
ヨーコ |
「アルカ…、いや有角幻也のこと、 知ってるでしょ?」 |
蒼真 |
「知ってるけど…。」 |
ヨーコ |
「彼に言われてるのよ。 何かあったら、手助けして やって欲しいって。」 |
蒼真 |
「あの有角から? ちょっと、信じられないな。」 |
ヨーコ |
「まぁ、無愛想な奴だけど、 あれでも案外良いとこ あんのよ。」 「まぁ、彼もあなたと同じ 暗黒の力を持つ身だから、 身を案じているのかもね。」 |
蒼真 |
「えっ? 俺の力が、暗黒の力?」 |
ヨーコ |
「知らなかったの!?」 |
蒼真 |
「いや、有角からは、 モンスターの力を使うことが 出来るってだけ…。」 |
ヨーコ |
「あっ、もしかして私…。 まぁ、言っちゃったものは 隠してもしょうが無いわね。」 「君の力は、支配の力って 言って、モンスターの魂を 支配する力なの…。」 |
蒼真 |
「支配? 俺にそんなつもりは まったく無いんだけど…。」 |
ヨーコ |
「それは息をするみたいに 出来ることだから、 自覚がないだけ。」 「でも、暗黒の力って言っても、 悪の力って訳じゃないから、 安心して。」 「要するに武器と同じね。 使う人によって、善にも 悪にもなるって事。」 |
蒼真 |
「そう言われると 少しだけ安心する。」 「この力を手に入れてから 自分っていうのが、 分からなくなって来てるんだ。」 |
ヨーコ |
「君は君よ。 それ以外あり得ないわ。」 「迷っちゃダメ。 もっと自分を信じるの。 それが最も大事なことよ。」 |
蒼真 |
「何か、分かるような気がする。 ありがとう、ヨーコさん。」 |
ヨーコ |
「はは…。 御礼なんて言われると、 ちょっと照れるわね。」 「あっ、そうだ! 君、グラハムって男 知らない?」 |
蒼真 |
「その人なら さっき会ったけど…。」 |
ヨーコ |
「あの男には、気をつけなさい。 私は、彼がドラキュラの力を 受け継ぐと信じてるわ。」 |
蒼真 |
「まさか? 悪い人には見えなかったけど。」 |
ヨーコ |
「君、人にだまされやすいって よく言われない?」 「表の顔にだまされちゃダメ! 本性を知れば、そんなこと 言えなくなるわ。」 |
蒼真 |
「そ、そうなんだ。」 |
ヨーコ |
「あっと私、彼を追わないと いけないから。 それじゃ!」 |
<ボスがいる部屋の先> |
|
??? |
「おっ、こんな子供まで ここに来てるのか?」 |
蒼真 |
「子供? 失礼だぜ、おっさん。」 |
ハマー |
「いや、失敬した。 俺の名は、ハマー。 軍の命令で、ここに来た。」 |
蒼真 |
「俺は蒼真だ。」 |
ハマー |
「神社の視察だと思って 来てみたら、いつの間にか 城の中だ。」 「やってらんねぇと、 思わねぇか?」 「だから、やらねぇ事にした。」 |
蒼真 |
「は?」 |
ハマー |
「神社に何だか分からん連中が 集まってた。」 「そいつ等を相手に、商売でも しようかと考えてるところだ。」 |
蒼真 |
「はぁ…。 そりゃよかった…。」 |
ハマー |
「ここには武器がたくさん 落ちてるし、城の入り口なら 敵も来ねえらしい。」 「と、言うわけで、店を 見かけたらよってくれ。 安くしとくぜ。」 「じゃあな! がっはっはっは…。」 |
(ハマーは去って行く) |
|
蒼真 |
「店ねぇ…。 なんだかなぁ…。」 |
<ハマーに話し掛ける> |
|
ハマー |
「よう、来たな。」 |
蒼真 |
「ここに店を開いたのか?」 |
ハマー |
「おう、そうとも。 ところで、あそこにいる かわいこちゃん…。」 「お前のこと見てるが、 知り合いか?」 |
蒼真 |
「あぁ…」 |
ハマー |
「かーっ、隅におけねぇなぁ。」 |
蒼真 |
「そ、そんなんじゃ!」 |
ハマー |
「照れるな照れるな。 若いって事はいい! 良い事だ!」 「っと、商売商売! さぁ、見てってくれ!」 |
<弥那に話し掛ける> |
|
弥那 |
「おかえりなさい。 蒼真君。 ねぇ…。」 |
蒼真 |
「何?」 |
弥那 |
「あそこにいる人…。」 |
蒼真 |
「ハマーのことか?」 |
弥那 |
「あの人、 ハマーって言うんだ…。 ちょっと、恐そうじゃない?」 |
蒼真 |
「いや、良い奴だと思うけど…。」 |
弥那 |
「でもほら、武器とか たくさん持ってるし…。」 |
蒼真 |
「何か、店を開くって 言ってたな。」 |
弥那 |
「こんな所で店!? どうかしてるかも…。」 |
蒼真 |
「そう思うよな…。」 |
弥那 |
「でも、蒼真君が、いい人って 思ってるなら。 信じるわ。」 |